パッシブデザインハウスミライエ

パッシブデザイン

 

パッシブデザインとはなにか。

建物のあり方に工夫して、建物の周りにある自然エネルギーを最大限に活用・調節できるようにし、質の高い室内環境を実現させながら、省エネルギーに寄与しようとする建築設計の考え方とその手法をいいます。要は、機械に頼らず、太陽光、熱、そして風といった自然のエネルギーを十分に活用・調節することで、快適な家づくりをしようとする設計の考え方や手法のことを言います。光や風、熱を上手に活用し、室内を夏涼しく、冬暖かくするため、電気やガスなどへの依存率が減少し、省エネでありながら快適で健康的な暮らしを実現することができます。

 

パッシブデザインに不可欠な5つのデザイン

1.断熱のデザイン

2020年には、省エネの基準を満たすことが義務付けられています。その基準をクリアするためには断熱性能を上げることはとても重要になります。そして、その断熱性能を上げることによって外気の熱を室内に伝えにくくし、室内で発生した熱を逃がしにくくすることで、保温性に優れた快適な空間になります。どれだけ以下のデザインを取り入れることができても、この断熱のデザインを怠ると夏暑く、冬寒い家になってしまう可能性を十分に秘めています。

 

2.日射遮蔽のデザイン

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「夏涼しく」を実現するために、何より重要なのがこの日射遮蔽です。とくに、窓から入る日射を最大限に少なくすることがポイントで、室内の温度上昇に大きな関係があります。日射遮蔽を適切に行うことで、室内の温度上昇を抑え、エアコンなどの冷房負荷を減らすことができ、夏のエアコン代を削減することにつながります。

 

3.自然風利用のデザイン

⑤①②

 

身体に風が当たると涼しいと感じるという効果を取り入れた手法です。それだけではなく、室内に溜まった熱を排出させる目的もあります。自然風利用のポイントは「外気温が低い時や、外気温が低い窓から風を取り入れる」ことです。真夏であれば夜間に行い、昼間の場合は直射日光の当たらない窓から風を入れるイメージです。

 

4.昼光利用のデザイン

昼間に、太陽光をそのまま光として利用して、照明器具に頼らず室内を明るくすることを目的とします。基本的には昼間に照明使いたくないものです。しかし、敷地条件によっては光が十分に届かないようなケースもあります。そんな場合には、周りの建物などの影響を受けにくいような高い所に窓を設けて光を届けるなどの工夫が必要です。

 

5.日射熱利用暖房のデザイン

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冬場、窓からできるだけ多くの太陽熱を取り入れ、それを蓄熱する工夫をこらすことによって、その蓄えられた熱を主に夜間に暖房として使う手法です。「集熱」「断熱」「蓄熱」この3つのバランスをうまく整えられれば、室温の変動が小さくなり、快適性が向上するだけではなく、暖房エネルギーの削減につながります。
最後に、何より重要なのはこの5つのデザインバランスを整えることです。当然、地域によってそれぞれの重要性や求められる性能は違います。香川県の場合、夏はとても暑く、冬の日射量も多いので、その特性を考えた設計が重要です。さらに、敷地条件によってもこれらのバランスは変わってきます。例えば、南側に日射を遮る建物があれば、冬の日射取得は期待できません。断熱性を高めることはとても注目を集め、それを推奨するプロも多いと思います。しかし、単に高気密高断熱にすると夏暑くなることを理解して、日射遮蔽や自然風利用をしっかり考えながら設計を進めていくのが本来のパッシブデザインなのです。

 

パッシブデザインにはメリットがいっぱい!

 

①快適な環境で暮らせる!

エアコンなどの利用を最小限にすることができ、温度、湿度が安定して、帰宅時のあの暑さや…冬の朝のつらさや…そんな暑い、寒いなどの不満を解消できます。

 

②健康で安心な暮らしができる!

風邪をひきにくくなったり、冷え症も緩和されたりなどの傾向もあり、何よりも、部屋間の温度差によるヒートショックなどのリスクを回避できます。
また、アトピーやぜんそくなどの疾患の改善にも効果があると言われています。

 

③経済的に嬉しい!

快適で健康に暮らしているのに、光熱費が削減されます。

 

 

塩田英範とパッシブデザインとの出会い。

学校を卒業し、建築の世界に身を置くようになった私は、約8年間の間、特に木造住宅の設計について学ばせていただきました。そこで学んだことは、香川の気候風土にあった家をその敷地条件で、デザイン良くつくり上げることが一番の学びでした。気候風土にあったとは、使用する材料だけではなく、日当たりや風通しをその敷地条件で検討し、実現する必要があります。それは私の師匠である設計事務所の社長から学び、経験を重ねる中で感覚的に理解し、実用化できるようになっていました。

そんななか、とある勉強会に参加する機会があり、そこでパッシブデザイン協議会代表の野池政宏氏と出会いました。この業界では「パッシブ」という言葉は時に使われていた程度でしたが、「パッシブデザイン」という言葉はその際に初めて聞いたように思います。気候風土にあった家づくりを心掛けていた私ですが、お客様の意向や、自分のデザインイメージによって、庇の無いようなデザインの住宅も多くつくってきました。その勉強会で、やはり日当たりや風通しの重要性を再確認することができ、さらには、今まで自分が考えてきたことが間違っていなかったのだという自信に変わりました。自信に変わったのは、間違っていなかったことが分かっただけではなく、今まで感覚的に考え判断していたことが、すべて根拠立てて証明でき、その意味や効果が目に見えて分かり、トンネルから抜け出したような、霧が晴れたような気持になったのを今でも鮮明に覚えています。これからの時代を考えると、こんなパッシブデザインの手法を取り入れた住宅を提案することが住まわれるご家族や、地球環境にも大きなメリットがあり、その重要性を感じました。

それを実現するためには地域密着の工務店がパッシブデザインの設計施工を行うことが一番向いているのではないかと思っています。その理由は、その地域で生まれ育ち、暮らす、そんな人こそが一番そこの気候風土を理解しているからです。パッシブデザインは気候風土を理解したうえで、その敷地にあわせて計画する必要があります。裏を返せば、規格型の住宅では本来のパッシブデザインの力を発揮できないということです。

 

パッシブデザインにもいろいろある

すべての季節において、その場所にあった家を検討するのがパッシブデザインです。私も昔は錯覚していましたが、日本の伝統的な家は深い軒と、風通しがよく、これこそ本当の日本のパッシブデザインだと思っている方もいらっしゃるかもしれません。昔は夏に重きを置いて考えられていたこともあり、夏には涼しく暮らせますが、冬には断熱・気密性能が不十分の為、とても寒い家になってしまいます。そんなこともあってか、最近では断熱・気密性の重要性が広まりました。その中で、ヨーロッパ型の高断熱・高気密住宅がパッシブデザイン住宅だと思っている方も多いようです。ヨーロッパの基準を参考にすることは良いことだとは思いますが、日本と(香川と)気候が違うヨーロッパ型の家づくりをそのまま持ち込んでもうまくいくとは限りません。

パッシブデザインによって実際に快適で健康的で、省エネな家にする為には、パッシブデザインの5つの要素をすべてバランスよく検討する必要があります。しかし、徐々にパッシブデザインが知られるようになり、ウインドキャッチや蓄熱を採用する会社さんもあると思います。

ただ、そうしたパッシブデザインの技術だけを取り入れても、本当に快適で健康的で省エネなパッシブデザイン住宅になるとは限りません。本当に実現するためには、設計段階で温熱計算や通風、日照のシミュレーションを行いながら計画することで、本当のパッシブデザインを取り入れた、実際に快適で健康的で省エネな家になると信じています。